新型コロナウイルス発生当初にデマ屋扱いされた中国人医師2人のこと、そして、体制・マジョリティに異議を呈する者は徹底的に排除する全体主義について

新型コロナウイルスは、世界中をパニックに巻き込んだ。中でも日本はその臆病さと責任を取らせられないことを重視する国民性によりズルズルと感染対策とワクチン接種を続け、ついに7年目に突入。専門家・政治家・医者が対策の効果やコストの総括をしないから一部の人はまだマスクとワクチンに縋り、コロナが終わらない。2019年末~何があったか、毎度テーマを決めて振り返る。まずは初期に警鐘を発した中国人医師について。
中川淳一郎 2026.03.23
誰でも

 2019年末、その謎のウイルスのもたらす恐怖を人々は動画で目の当たりにし、「こりゃあとんでもないウイルスが発生したわ……」と戦慄した。というのも、中国で、駐車場のようなところを歩く人物が突然バタッと倒れてしまうのである。謎の、未知のウイルスが武漢の華南海鮮卸売市場で発生し、そこから原因不明の肺炎で死ぬ、と2019年末に報じられた。当時の日本ではまだ対岸の火事的状況で、ハクビシンから未知のウイルスが発生した、という報道を見ては「あいつらは怪しいものだろうが何でも食うからなw」的に笑っていた。

眼科医の告発を国家が取り締まる事態に

 さて、李文亮という武漢の眼科医がいた。ICUのベッドの上で人工呼吸器をつけられ、自身の身分証明書を画面に見せ、自身の体調や実際に起きたことを語る動画を投稿した若い男性を覚えているだろうか。ハァハァと苦しそうに喘ぎながら、この肺炎の危険性を訴えた人物である。

微博より

微博より

 2019年12月末、同氏は医師仲間の「微博」のチャットで、「海鮮市場でSARSに似た肺炎が7件確認された」と注意を促すメッセージを書き込んだが、これがチャット外に流出。中国当局は、李氏を誤情報を発信するとんでもない人間だと扱い、同氏は2020年1月3日に警察から取り調べを受ける。そのうえで、デマを流して社会秩序を乱したと訓戒処分を受け、同様の行為を二度としないとの誓約書を書かされた

 中国当局としては、中国共産党の威信を李氏が貶めたと感じたほか、社会が不安定になることを恐れたため、このような対処をした。この頃は中国当局もWHOもこの肺炎がヒトからヒトに感染しないとの立場を取っていたため、このような強硬策をしたのである。なんとしても李氏をデマ野郎扱いし、脅威はない、という方向に持っていこうとしたのだ

 李氏はその後診察した患者から新型肺炎をうつり、上記の通りICUに入る状態になった。2月7日に亡くなる直前にも警告を発した。その後の世界への広がりを目の当たりにし、中国を含めた世界の人々は李氏を英雄扱いし「あなたは正しかった」「あなたは立派だった」とその死を悼んだ。享年34。

李氏の同僚も言論弾圧を受ける

 そんな李氏に新型肺炎の情報を伝えたのが、同僚の救急科主任・艾芬(アイ・フン)という女医である。12月16日に彼女の部署に患者が運び込まれたが、原因不明の高熱が続き、様々な薬を投与するも効果はなく、体温が下がらない。その後、原因不明の肺炎患者に関する報告書に「SARSコロナウイルス」の文字を発見した彼女は、その部分を赤丸で囲ったうえで、同僚に送ったのである。この情報を李氏も得て、その情報を同氏は発信したわけだ。

 艾氏は病院当局から厳しい叱責を受け、この情報を外部に漏らさないよう強く言われた。李氏の死後

、彼女のインタビュー記事は世界がパニックに陥っている2020年3月に掲載されたが、すぐに削除された。当局の情報統制において、李氏も艾氏も目障りだったのだ。こうしたことがあったため、同氏は情報発信をできなくなり、その後「行方不明」情報が出るなどしたが、それはあくまでも憶測。同氏は生きていたし、軟禁や監禁をされていたわけではない。その後、SNSで自身の無事を発表した。そして、李氏への訓戒処分は撤回され、当局は謝罪した。

これが最初期、そして国家が情報統制に走る例だったのだが、皆さんにも既視感はあるのではなかろうか。そうである、「不都合な情報を出す者は”デマ屋”扱い」がまかり通ることである。この当時は「こんなに怖いものがあるのだ!」と言うと「お前はデマ屋だ! 我が国でそんな妙な病が流行るわけがない! 無駄に危険を煽るのか!」とその声を封殺された。

日本でも言論封殺はあった、そして全体主義へ

翻って日本で、「そこまで怖がる必要のあるウイルスではないだろうよ。あと、マスクを含めた感染対策効かないし、この程度のウイルスにワクチンは不要。そもそも風邪のワクチンなんて作れないだろ。もうやめようぜ」なんて言おうものなら、多数派から猛烈な批判を受け、その手の意見がメディアに出ることは滅多になく、「コロナは怖い」「感染対策は国民の義務」「ワクチンで皆を守る思いやりを持とう」という全体主義が蔓延したのである。それが今でも続いているのだ。

 もちろん、続いているといっても、一部の声が大きい者や、未だに怖がっている者だけが騒いでいる状況だが、圧倒的多数派が「なかったこと」にしたがっているため、この騒動は総括されず、風化を待とうとしている人間がなんとか逃げ切って死のうと考えている状況にある。そんなことを許してなるものか。同様のことをまたやるぜ……。現にインフルエンザ、はしか、RSウイルスなど手を変え品を変え「マスクをしてワクチンを!」の報道・専門家による提言は続いている。感染対策への意識が2019年までとそれ以降では完全に変わってしまい、我々日本人は「感染対策依存症」とも言うべき状況になっているのである。

 常に異端者・少数派の意見は封殺される。これが全体主義であり、太平洋戦争もそうだし、ウクライナ支援もそうだ。今回のイラン戦争については論調が分かれている面もあるが、メディアが一方向に振り切れば、全体主義は完成する。それを我々はコロナでまざまざと見せつけられた。本Letterでは、「社会評論」を一つの軸としつつも、新型コロナ騒動の総括も同時並行で進めていく

「なぜか日本人はコロナに強い」が反発を食らう不可思議、そして理化学研究所のキラーT細胞発表

 私自身、コロナを恐れない人間ではあるが、それは「日本人だから」である。2021年12月8日に理研が発表した「 新型コロナウイルスに殺傷効果を持つ記憶免疫キラーT細胞 -体内に存在するもう一つの防御部隊-」というプレスリリースがいわゆる「ファクターX」を解説している。つまり、日本人はCOVID-19に強かったということだ。

今回、共同研究グループは、日本人に多いヒト白血球型抗原(HLA)[5]タイプのHLA-A*24:02に結合するSARS-CoV-2のSタンパク質中のエピトープ[6]の同定に成功しました。季節性コロナウイルスに対する記憶免疫キラーT細胞は、このエピトープを交差認識し、SARS-CoV-2に対して抗ウイルス効果を示します

 だからこそ、欧米各国がバンバン感染し、死んでいた2020年~2021年に「なんで日本はこんなに被害が少ないんだ? となったが、「日本人はなぜか新型コロナウイルスに強い。それは中国人・韓国人・台湾人ら東アジアの人間に共通」ということである。それなのに、被害の大きい欧米各国に合わせ、感染対策とワクチンにまっしぐら。

 そして、日本の被害が少なかったのは「マスクをきちんとし、お上のお願いに従う民度の高さ」という神話が誕生し、それが他国の被害が増えるにしたがって強固になったのである。いや「日本人だからオレらは強かったんだよ」ということを理解せず、他国が「ウイルスは弱毒化したし、永遠にコレ、終わらんから感染対策もワクチンの追加接種もやーめた」と2022年初頭にはなったのに、日本はそれから2023年5月8日の五類化までズルズルと対策とワクチンを続けた。

 そして、今でもXでは、マスク&ワクチン真理教徒の残党が、その有用性を主張し、なんとしてもコロナを終わらせまいと頑張っている。さて、これから「新型コロナ騒動」について、様々なテーマについて書いていく。多分週1になるだろうが、後世の歴史家の検証に役立つよう、コロナ騒動下で散々文章で疑問を発信し続けてきた私・中川淳一郎がこの壮大なるテーマで総括をしていくことにしたのである。まぁ、「あったあった」「オレもキツかった…」などと、「同志」の皆さんとともに、このtheLetterを続けて行ければな、と考えている。まだ感染対策とワクチンしたい方は多分見ない方がいい。もはや貴殿はマイノリティと化しているのだから。

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